人生にブルースを:佐藤龍一ライブ at 堀江5th Street


佐藤龍一さんというシンガーソングライターをtwitterで知ったのは、twilogを遡ってみると……4年前か。何かしら公式リツイートで流れて来たのをフォローしたんだと思う。

そこからタイムラインでツイートを拝見する程度だったが、佐藤さんがお父様を看取られた時の思いを自らTogetterにまとめられた時、私のツイートもまとめに入った。引用確認のご挨拶まで頂いてしまって。
そのまとめを下記に再掲する。佐藤さんの、お父様とお母様への思いが、ご自分の道程と共に切々と綴られているのがお分かりかと思う。
【本日の父上】 – Togetter
(私のツイートは3ページ目に出て来ます)

それ以来時たまやり取りを重ねる内に、佐藤龍一という人物に興味が湧いてきた。
ライブを積極的にやられているとのことだが、東京都内が中心。
年に1、2回大阪にいらっしゃる時は私のタイミングが合わず、見に行けない時が随分長く続いた。

そして今夏。
休日出勤でヤバかったが何とか切り上げて、やっと堀江の「5th Street」というライブハウスで、佐藤さんのライブに立ち会うことが出来た。

2部構成の第1部は、佐藤さんがギター1本を携えての弾き語り。
もっとフォーク色が強いかと思いきや、ブルージー。でも、大阪のブルースミュージシャンに見られる「いなたさ」は薄い。女にフラれてどうこう、というブルースお決まりの歌詞をうたっていても、どこか品がある。

そんなセットリストの中にも、内省的な歌も入る。
レコードデビューした頃、世界を放浪していた頃、帰国してゲーム音楽制作に明け暮れた頃、専門学校講師の頃……波乱万丈というと有り体な表現だが、その言葉と歌に不思議と説教臭さを感じないのは、きっと佐藤さんの人柄なんだろう。

ハイボール片手にだらだら聴いている内に第1部が終わり、ゲストと共演する第2部へ。
まず招かれたのはパーカッショニストのShavdo(シャブドー)さん。佐藤さんとは古い付き合いらしい。寡黙だが、使い込まれたタンバリン1つでギターによく絡むリズムを刻みだしたのには感服した。

次に現れたのはMC NAKKAさん。神戸を中心に関西で活動されるラッパーだ。デカいガタイでヒゲまで生えていて一瞬怖そう?と思ったけど、フロウ打つ姿が本当に楽しそうだった。佐藤さんの3度上でハモってもいたっけ。(終演後に少し話したら腰の低いナイスガイでした)
その後で招かれたのはMC Rickyさん。堺在住らしい。聞けばお父様は元漫才師の若井ぼんさんで、コンビ解散後渡ったジャマイカでレゲエ歌手になった頃、前述のShavdoさんと共演していたという。不思議な縁というか、世間は狭いというか。
MC NAKKAさんとMC Rickyさんの2人でフリースタイルラップまでやるとは思わなかったなあ。

4人でワイワイ盛り上がった後は、再び佐藤さん一人でクライマックスへ。
フォークとブルースが綯い交ぜになったセットリストの中、お父様のことをストレートに歌った「見えない背中」という曲が特に心に残った。
そうか、3コードで歌うことが「ブルース」とばかり思っていたが、きっとそれだけではないようだ。
自分の人生を、心の機微を切々と歌うこと。それで誰かと繋がっていくこと。どんなコードであれ、どんな音であれ、それこそが「ブルース」なのだろう。
朗々と歌い続ける佐藤さんの佇まいを見て、そんなことを考えていた。

アンコールで再びゲストの3人がステージに上り、最後はボブ・ディランの”Forever Young”を会場全員で大合唱して大団円。

2年越しの念願がやっと叶って良かったし、佐藤さんを生で見られて本当に良かった。
私も何かしらの形で、自分の「ブルース」を奏でなけりゃならないのかも知れないな。
また見に行きますね。