モモコグミカンパニー「目を合わせるということ」 #BiSH


去年の夏の幕張以来、相変わらずBiSHは好きでライブ遠征もふらっと行っている。
(最近の目当ては別のグループなんだけど、それはいずれ書くとして)
個性的なメンバーが揃うBiSHだが、金髪のショートカット、ちょこんとした佇まい、歌もダンスもどこか素人っぽさの残る女の子が、今回の主役:モモコグミカンパニーだ。

歌姫:アイナ・ジ・エンドや実質上のリーダー:セントチヒロ・チッチと同じく、BiSH結成時から在籍。
メンバー自ら作詞を手がけるのが特徴であるBiSHの中でも、突出して作詞担当曲の多いメンバーが彼女である。
そんな彼女の初の著作が本作「目を合わせるということ」。

章構成としてはその時々で思いついたことを書き留めていった形のように見受けられる。
元々どこにでもいる普通の女子大生だった彼女が、「アイドルを目指す人ってどんな人なんだろう?」という興味本位でアイドルオーディションを受けてあっさり合格し、生まれて初めてステージに立ったものの全くダメダメで、他のメンバーとの関係性や自分の適性に悩みつつも、ひとつひとつ試行錯誤を繰り返しながら苦境を打開していく……
その過程がしっかり時系列になっていて、普通の女子大生がいかにして「BiSHのモモコグミカンパニー」になったかが分かりやすく解き明かされていく流れである。

何よりも他の5人のメンバーに対する言及に、非常に愛を感じた。
こういうグループ結成でもない限り絶対出会うことのない6人だと思う。全く違う環境で人生を送って来たわけだから、価値観の相違は多いだろうし、衝突もあっただろう。
その衝突を乗り越え、お互いの長所も短所も理解して距離感を掴んだ上での、愛。
モモコグミカンパニー自身の人柄も大きいだろう。きっと物凄く優しい人なんだろうし、だからこそメンバーにもファンにも愛されているのだろう。
そうした彼女のパーソナリティが本作には色濃く出ていて、読後感は非常に爽やかだった。

何かと「激しいライブパフォーマンス」ばかりが取り沙汰されるBiSHだが、勿論それだけでブレイクしているわけではない。
まだBiSHをよく知らない方も、その理由の一端を本作で知ることが出来るのではないだろうか。